ここまで来たダッテリーノトマト進化形 |「そのまま食べて美味しいトマト缶」開発秘話(後編)|海外食品通販サイト ダイニングプラス(公式)

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ここまで来たダッテリーノトマト進化形 |「そのまま食べて美味しいトマト缶」開発秘話(後編)

2020/05/21 09:30
アレンジ自在で、キッチンの常備品の定番になったトマト缶。
今回は『そのまま食べて美味しいトマト缶』を目指したトマト缶開発のお話しの後編です。

後編
4.産地へ。トマト缶生産の現場って?
5.ダッテリーノ(ダッテリーニ)トマトとの出会いと更なる開発への思い
6.皮をむきタイプの誕生!
前編はこちらから >【イタリアでトマト会議】
1.そのまま食べて美味しいトマト缶ってどんなの?
2.イタリアでトマト会議
3.チェリートマトにしよう
4.産地へ。トマト生産の現場って?

2014年夏、到着したのはナポリ。当時、トマトを輸出してくれていた会社がナポリにあったのです。その時の目的はトマトの生産現場に立ち会って、美味しさのヒントを探ること。
(このときはその後、トマトのために4度この地を訪れることになるとは夢にも思っていませんでした。)




まずはトマトの栽培農家のあるプーリア州へ。
ナポリのあるカンパニア州からプーリア州への道中、よくすれ違うのはトマトがぎっしり入ったカゴをいっぱい載せたトラック。一気に美味しいトマトへの期待が膨らみます。

プーリア州に入って下りの坂道にさしかかると正面に見えるのは一面の乾いた大地。
実際にその場に入ると、そこには灼熱の太陽の日差しが降り注ぎ、カラッカラの大地がただただ広がっています。 車から一歩外に出ると「暑い」ではなく「痛い」という体感。そのカラッカラの大地には乾きかけた緑が広がり、地平線まで続いていて、よく見ると地面がなんだか赤っぽい。それがトマトでした。

一般的にホールトマトと呼ばれる通常サイズのトマトはベルトコンベアを備えた専用のトラクターで収穫します。一方、ミニトマトはより壊れやすいので、手作業で収穫します。手作業とはいえ、かなりの量ですから、房を大地から持ち上げて、カゴの上にかざして一気に振ってカゴの中に入れていきます。




収穫が終わると今度は加工場へ。
この時に向かったのはカンパニア州にある小さな加工工場。
トマトは7月下旬~9月にかけて2か月間で収穫し、加工されます。一貫して作る大規模なメーカーもある一方、栽培農家、加工工場、出荷工場とそれぞれが大中小の規模で分業しているのがほとんどです。

そうした一連の流れの中で、朝、高速道路で見たのはプーリア州の農家で採れたトマトをカンパニア州の加工工場に運んでいる姿だったのです。

トマトの生産は見ました。皆さんが懸命に作ってくれたトマト缶。
どうしたらもっと美味しいものに出会えるか?
「チェリートマトを漬けるトマトジュースを同じ工場内で一貫生産し、トマトの糖度を指定して作ってください。 もちろん食塩やクエン酸は使わずに。」

そうしてチェリートマトデビュー2年目。
それなりに美味しいのですが、まだベストじゃない。。。

もう一度イタリアへ。


5.ダッテリーノトマト(ダッテリーニ)との出会いと更なる開発への思い

2015年夏、どうしても納得できず、向かったのは再びナポリ。
工場はたくさんあるので、今度は大規模な工場に連れて行ってもらいました。
そこで見つけたのがダッテリーノ(複数系でダッテリーニ)。




工場に行くと当然製品を試食するのですが、やっぱりダッテリーノ(ダッテリーニ)が美味しい。 値段が高くなると言われて一旦はあきらめたダッテリーノですが、再び工場を2社訪問して、ダッテリーノへの思いは強くなる一方です。

工場訪問のときは「ダッテリーノがいいなぁ」という気持ちを何度も声に出して先方に伝え、やっとダッテリーノ(ダッテリーニ)をリーズナブルに作ってくれることになりました!
もちろん、食塩やクエン酸は使用しないで!という条件も了承してもらってのことです。

そして実際に販売を始めたダッテリーノ(ダッテリーニ)。
「やっぱりダッテリーノ(ダッテリーニ)にして良かった。」という実感を得ながら販売を続けて2年目のこと。 商品をプレゼントした友達から言われた言葉。
「こないだもらったトマト缶。皮がついててびっくりした!あわてて取ったわ!」
そこで私の心の奥に潜んでいた(あえて気づかないふりをしていた・・・?)気持ちが沸き起こってきたのです。
「皮をむきたい・・・」

プーリアの大地でたくましく育ったトマトはとっても美味しいのですが、太陽をさんさんと浴びて皮が厚くなります。しかもクエン酸を使わずにシンプルに作ったトマト缶の中ではトマトの皮はあまり柔らかくはならない。。。
お料理する時に皮はツヤっとして見た目はきれいだし、自然な美味しさも持っているのですが、食べ物はやはり美味しくなくては。。。その原則に照らし合わせると皮は一方、雑味とも取れるのです。

そこで次の開発へと思いは強くなっていきました。

6. 皮むきタイプの誕生

2017年ヨーロッパ最大の展示会でのこと。
イタリアのコーナーでトマトを見かけると「ダッテリーノ(ダッテリーニ)の皮をむいてもらえませんか?」と聞いて歩きました。
ほとんどのメーカーは「ミニトマトの皮はむけないよ」と相手にしてもらえません。
「なんで皮がついていたらダメなの?」とやっぱりとても難しいようです。
何社目だったか・・・
とても混雑していて、ブースにある商談席は埋まっていました。
何回かそのブースの前を行き来して、やっと担当者と話をしたところ、「できるよ」とあっさり承知してくれたのです。

後からわかったのですが、このメーカーでもミニトマトの皮むきタイプを本格的に商品化するのは初めてのことだったようです。
なぜなのか?
今だからわかるのですが、大きなトマトの皮をむくこととミニトマトの皮をむくことは手間のかかり方が全然違うのです。








その手間をあえてかけて、「ダッテリーノトマト(ダッテリーニ) 皮なし」の初生産にこぎつけたのが2018年夏。日本に入荷したのはその年の年末。
とにかく気になるのは最終製品の味。
届いて試食してみたら・・・
やっぱり美味しい!
雑味がなくて、トマトジュースとのバランスも良く、「そのまま食べて美味しいトマト」の完成形とも思える満足のゆく味です。

しかも・・・
とても良いメーカーに出会うことができ、プーリア州のトマト畑の真ん中に工場があります。プーリア州で採れたトマトをプーリア州の工場でトマトジュースから一貫生産! だからとにかく新鮮なうちに加工することができるのです。
なんと収穫後6時間以内に加工。
そして何と言っても皮むきタイプ!
皮をむいたことで雑味のない仕上がり!
まさに「そのまま食べて美味しいトマト缶」が出来上がりました♪




ここでひとつだけ、おことわりしておきたいことがあります。
皮なしタイプのダッテリーノトマト(ダッテリーニ)はメーカーにとっても大変な作業で、100%の皮を除くことはまだできていません。
でも2年連続生産に立ち会わせてもらい、進化しております。
今年入荷分からは皮残りが半減以下!

「そのまま食べて美味しいトマト」を追い求めてここまで来た、皮なしタイプのダッテリーノトマト(ダッテリーニ)。皆さんにも食べてもらいたいなぁ。



>【ダッテリーノトマトのトマトジュース漬け】はこちらから




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