フランス人食いしん坊もびっくり!わさび醤油
わさび醤油との出会い

その出会いは社内の会議中でした。
会議も終わろうとしたその時、輸出部を自ら率いているグループ会社の社長のかばんからおもむろに取り出された一つの小瓶。
真っ黒い液体が入ったその小瓶。透明と思われる瓶の縁には中に入っている黒い液体のあとが見られ、液体に粘度があることが想像できました。「食べてみて」と差し出されたひと匙。まずは香りを、と鼻に運ぶと。。。新鮮なわさびを卸したときの独特の香り。早速口へ。想像した通りのむしろ「トロッ」とした舌触りと共に広がる塩味と大好きなわさびのフレッシュな味わい、そして少しツーンとくる香り。
もともとわさびは大好きです。特別なお刺身が手に入った時は生わさびを探して町中のスーパーや八百屋さんを巡ることもしばしば。お寿司屋さんではわさび巻も好物のひとつ。そうです、私はお酒のアテは美味しいわさびとお醤油でいいと、チューブに入ったわさびを使うぐらいならばわさび抜きでいいと、そう思っている派です。
そして、最近ではダイニングプラスでも時々販売している「山葵オイル」を愛用するようになり、生わさびを探して右往左往することもなくなったなぁ、と感じていました。
そんな時だったのです。それと出会ったのは。
山葵オイルと醤油

社長いわく、本当のわさびの香りがしっかりするお醤油があったらヨーロッパのグルメ達が喜ぶはずだ、ということであの「山葵オイル」とお醤油をミックスして香りを閉じ込めた商品開発をしているとのこと。
そして何度目かの試作が出来上がったときに私が居合わせた、ということだったのです。何とラッキー! 即座に、これ欲しい、と言いました。
「山葵オイル」は大山(鳥取県)のわさび屋さんが生わさびの香りを丁寧に抽出してオイルに浸透させ、長持ちさせることに成功した画期的な調味料です。その香りの良さは生わさびに引けを取らないものなので、それをお醤油に混ぜたら美味しいわさび醤油ができるのです。
ただ、オイルなので液体のお醤油とは分離してしまいます。それを分離させないでお醤油と混ぜるのが結構大変で、なかなか開発に乗り出してくれるお醤油屋さんもなかったそうで、メーカーさん探しから難航したようです。
そんな中、名乗りを上げたお醤油屋さんは大正時代から島根県で美味しいお醤油を作り続ける老舗、その名も大正屋醤油店さん。お醤油のプロであるそのメーカーさんにとってもオイルとお醤油の調合はしたことのない挑戦でした。何度か試作した末に、ある工夫を施すことで分離しない美味しいわさび醤油が出来上がりました。そしてその工夫の結果、たくさんの生わさびを贅沢にお醤油に溶いたときのトロッと感まで再現できたのです。
わさび好きの私はもちろん、わさびはお刺身に乗っけてお醤油にちょん、と触れさせていただくことが多いのですが、赤身のお刺身を食べる時とかお肉をあっさりと食べるときなどはたっぷりの生わさびをお醤油に溶かして食べるのも至福です。
そうです。その至福のわさび醤油が完成したのです。
フランス人食いしん坊


(左上写真:フランス食いしん坊代表(自称)オリビエ/右上写真:Nishikidoriアンテナショップの店内)
そして先日久しぶりに訪れたフランスの食の展示会。
昔からの仕事仲間の一人でもあり、フランス食いしん坊代表(自称)でもあるオリビエに会いました。彼は大の日本好きで、自宅にはそこに居るとあたかも日本にいるかのような錯覚を起こすという日本部屋があるんだとか。
そんな彼は2009年、Nishikidori という日本グルメ食材専門ショップをオンラインで開設し、2017年には世界中のグルメが集まるパリの中心地にアンテナショップも作っています。余談ですが、そのお店は完全にフランス人向けで、行くと料理人と思われる地元の方が束になった昆布を買っていたり、ご近所のマダムと思われる方がお醤油を買っていたりする場面に普通に遭遇するのです。
「わさび醤油」のお気に入り&おすすめポイント

話を戻してその展示会。
フランスのプロ向けに日本食材のブースもありました。
Nishidoriのスタンドにはもちろんその「わさび醤油」が展示されています。オリビエを見つけて、「これ、美味しいよね!」と言ったら、嬉しそうな表情。
彼の《お気に入りポイント、おすすめポイント》は・・・
* クリーミーでとろりとした食感
* フレッシュなわさびの香り
* 新鮮なわさびの適度な辛み
* 生の大根に少しつけて・・・
* 赤身のお肉にもぴったり・・・
など次から次へ出て来ます。
でもいちばん大切なポイントとして、フランスで「Sauce soja avec Wasabi(英語でSoy sauce with Wasabi)(わさび醤油)」と呼ぶためには「わさび」が入っているという点が最も重要で「その点でこの商品は画期的なんだ」とのこと。
そうなんです。
フランスでもいくつかのわさび醤油らしきものやそのフレーバーの食品は販売されているというのですが、そのほとんどが西洋わさびや辛子(マスタード)を辛み成分として使用したもので、つまり「わさび」というより「わさび風」なのです。
その点、このわさび醤油は原材料に「香味食用油(食用こめ油、本わさび)」と書かれています。これがオリビエ歓喜の理由なのです。
そう思って日本でも調べてみました。
わさび醤油の味わいが好きな日本人は多く、その名前がついた調味料やスナック菓子はいろいろ見つかります。でも原材料欄に「本わさび」と入った、シンプルな原材料で作られたわさび醤油はめったにないのではないでしょうか。
美味しい山葵がそこにあったから生まれた山葵オイル、その美味しい山葵オイルがそこにあったから、オイルをお醤油と混ぜる工夫が生まれたから、だからこそ生まれた「わさび醤油」
これで、生わさびを探してさまよったり、高いのにさほど新鮮でもない生わさびにがっかりしたりすることからも解放されることでしょう。
わさび商品はこちら
<ダイニングプラスについて>
2001年創業、商社が直営する輸入食品通販サイト。日本を代表する高級ホテル、ミシュラン星付きレストランが採用する高品質な業務用食品を、どなたでも1パックから購入できます。テレビ各社や「ダンチュウ」、「エル・ジャポン」など、メディア紹介多数。