フランス料理とバター バターがなければはじまらない!|上野万梨子さんのフランスレポート|海外食品通販サイト ダイニングプラス(公式)

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フランス料理とバター バターがなければはじまらない!|上野万梨子さんのフランスレポート

2023/03/31 09:00

Pas de bonne cuisine sans bon beurre ! 
美味しいバターなくして美味しい料理はあり得ない。
こう言われて反論するフランス人がいるものでしょうか。フランス料理におけるバターの存在価値は絶大です。



酪農王国フランス

国土は日本の約1.5倍。その約52パーセントを占めるのが農用地(日本は12%)。さらに牛の生乳の生産量は日本の約3.3倍。(いずれもFAO統計2020年より)
それもそのはず、フランスの都市から郊外に向かうとすぐに広大な牧草地が地平線まで広がりますが、そこで目に入るのは草を食む牛たちばかりで滅多に人影はありません。この広さにして人口は日本の二分の一。羨ましい豊かさです。
草がなくなった冬場は牛舎で過ごす牛達ですが、牧草や藁の飼料と、とうもろこしや麦やふすまなどの穀物系の餌は酪農王国の威信にかけて豊富なのでしょう。このような恵まれた環境下で一年を通して上質のミルクがとれ、そこからフランスが世界に誇るバターが生み出されます。



フランスのバターの種類

フランスのバターには大きく分けてフレッシュ感を味わえるクリーミーな生バター、そして劣化しにくい低温殺菌バターの2種があり、それぞれにbeurre doux 無塩バター、beurre demi sel 直訳すれば半塩バター、beurre sale 塩バターがあります。
半塩バターの塩分は0.5%から3%と決められており、それ以上になるとbeurre saleで、日本の有塩バターと同じような塩加減なのが beurre demi selです。
demiとあるので薄塩なのかと思いがちですよね。そこで旅先のパリのスーパーでお土産にとbeurre sale を選ぶとその塩辛さにびっくりなさることでしょう。こちらにはジャリジャリとした結晶塩が混ぜられていることが多く、それも海の天然塩となるとその水分や旨味成分がバターを劣化させやすく、日持ちがしないことを覚えておきましょう。

そこでよくある質問がフランス人はbeurre doux とbeurre demi sel をどう使い分けているのかということです。
2016年のバターに関するアンケート調査では無塩バター派53%、demi-sel は45%、あとの2%はそれ以外。無塩派と塩入り派はほぼ二分。ただ私のようにどちらも冷蔵庫に絶やさない人はどう回答したのかは不明です。
興味深いのは塩バターの消費が年々増えているとのコメント。あくまでもこれは私の推察に過ぎませんが、以前に比べて一回の料理に使う塩無しバターの量が減り、逆に朝食のパンのみならずアペロのタルチーヌや、sucre-saleの流行で塩気のある焼き菓子などに塩入りバターを使う頻度が高くなっているのではないでしょうか。



無塩と塩入りの使い分け

基本的に料理に使うのは無塩バターです。けれどそうとだけ思い込んですませていては、せっかく美味しいフランスの塩入りバターが目の前にあるというのに、なんともったいないことか!
ただ、たしかに一般的に塩入りバターの使い道というと、料理より朝食のパンにのせて、あるいはRadis au beurre 。これはラディッシュにバターをのせてカリッとかじるもので、ビストロのテーブルについて、さて今日はなにしようかとメニューを広げて料理を選びはじめた頃合いに運ばれてくる、フランス人が大好きな食前のツマミです。料理を選んだらこれをコリコリ齧りながら最初の一皿が運ばれるのを待つのです。
ラディッシュ以外ではセロリの株の中心部分にある柔らかい茎とかアンディーヴ(ベルギーチコリ)です。塩無しバターに塩をふるより、塩バターで食べる方がはるかに美味しいものです。


(上写真:レストランで提供された際の写真)

では調理に塩入りバターを使うべきはどういう時なのでしょう。
ステーキを例にとってみるとわかりやすいかもしれません(写真はつなぎ無しの粗挽き牛肉100%のステーキ)。
肉をフライパンでよい加減に焼きあげたら、鍋はいったん火からおろします。肉の部位によりけりですが、加熱で滲み出た余分な脂が鍋底にあればそれは取り除きます。 ステーキの大きさにより、塩入りバターを一人分15gから20gをフライパンに落とし、刻みパセリを加えたら再び火にかけます。塩バターは焦げやすいので決して高温にはせずに火にかけ、溶かし、スプーンなどですくってステーキ肉にまとわせます。この間はごく手早く。肉を皿に盛り付け、塩バターソースにレモン果汁を好みの量加え、肉に回しかけます。仕上げは粗挽き胡椒。塩バターがあれば、この程度の手間で最高に美味しいソースが出来上がってしまうのです。


(上写真:ミニポテト、にんにく、タイム、オリーブオイル、塩バターを鍋に入れ、蓋をかけて蒸し焼きするところ。)

このようなバターベースのソースに向くのは脂の風味が強くない牛赤身肉、鶏胸肉。魚介なら皮目や脂の風味が強い魚よりヒラメやスズキなど淡白な白身魚、ホタテ貝がよいでしょう。また野菜の蒸し煮の仕上がりどきに塩バターを加えて風味を上げるなど、調理の最後に加えて味わいを高めるのに塩バターはたいへん有効です。

最後にひとつ、、、
塩入りバターを使う際にもっとも注意すべきことは、塩による焦げ過ぎやバターの飛び散りを避けるために火加減を強くし過ぎないこと。そして肉や魚を焼いたり野菜炒めに使う場合はオリーブオイルやひまわり油と一緒に用いて、バターの焦げすぎに気をつけましょう。

日本のご家庭では無塩と有塩2種のバターを常備しないことが多いと思いますが、その場合はパンには欠かせず、 こうして料理にも生かせる塩入りバターがお勧めです。



ダイニングプラスのブレス産バター

ここからは、ダイニングプラスがおすすめするバターをご紹介します。
ブレス産バターは、フランス ノルマンディー地方のイズニー、エシレ村を始めとするポワトーシャラント地方に続き、3番目にAOP認定を受けました。
フランス第2の都市、リヨン近郊に位置するブレス地方。
リヨンが美食の都として有名になった一因は、ブレスの良質なクリームやバターがあったからだ・・・とも言われるバターです。

ブレス産 AOP発酵バター

厳選された生乳をバターマイスターたちが伝統的な「チャーン」製法で丹精をこめ、 この珠玉の発酵バター。木の実を思わせる濃厚で力強い味と香りが特徴です。

ブレス産 発酵バター ドゥミセル (加塩)

木の実を思わせる濃厚で力強い味と香りが特徴のフランスAOP発酵バターにつぶつぶ塩を加え、香ばしさが引き立つ味わいに仕上げました。




<ダイニングプラスについて>
2001年創業、商社が直営する輸入食品通販サイト。日本を代表する高級ホテル、ミシュラン星付きレストランが採用する高品質な業務用食品を、どなたでも1パックから購入できます。テレビ各社や「ダンチュウ」、「エル・ジャポン」など、メディア紹介多数。

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