おいしいだけではもう満足できない?!イタリアの安全性の高い食事情|ヒサタニミカさんのイタリアレポート|海外食品通販サイト ダイニングプラス(公式)

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おいしいだけではもう満足できない?!イタリアの安全性の高い食事情|ヒサタニミカさんのイタリアレポート

2023/09/28 09:00

わたしがイタリアで暮らしてよかったこと。
一番の答えは「普段の生活でおいしく安全な食べ物を食べることができる」ことです。27年前ローマ暮らしをはじめた時には、おいしいものが食べたい!ということだけが頭にあったので正直、安全性ということは全く考えていませんでした(笑)。
味以外のことには無関心だった私が、いつの間にか安心して食べられる物しか口にしたくなくなったのは、まさにイタリアの食文化のおかげです。イタリアに住む外国人の友人たちも同じような話をします。
日本では未だ「オーガニックや無添加食品の消費者=健康マニア」のようなイメージがあり「意識高い系」という言葉で表現されることも。また有機食品そのものがおいしくないという先入観もあります。
わたしは日本に一時帰国する度に、便利さや安さを求めただけの食品が毎年増加しているのではないかと心配になります。
イタリアでは、オーガニックや無添加食品が決して ‘高級品’ でも ‘味気のないもの’ でもなく、今や専門店でなくともどこでも手に入ります。スーパーマーケットや市場で普通に購入する食材として捉えられているのです。
そもそもイタリアは昔から伝わる保存食材がたくさんあります。生ハム、チーズ、オリーブオイル、ヴィネガー、野菜や魚の塩漬けやオイル漬け、ドライトマトなど、添加物や冷蔵庫が存在しない時代から、長く保存できる加工食材が作られていました。これらは自然食材でもあり、その伝統は現在もそのまま受け継がれています。
そして農薬や化学肥料を使用しない有機食材による商品の売り上げは、過去10年で2倍に伸びており、イタリアのオーガニック業界はさらなる成長を遂げています。



【有機農業大国イタリア】

イタリア半島は全土の約43%*が農地。
そして全農業面積における有機農地の割合は17%**に達しています(日本は0.6%!)。ドイツとフランスも飛び越え有機農業国のトップの地位を維持しています。
有機農業面積はなんと日本の199倍です***。
メイド・イン・イタリーのオーガニック食品の海外輸出率は世界でアメリカに次いで2位。イタリアは正真正銘のオーガニック大国であり、この業界で大きな経済的効果も得ています。

イタリアで有機食材の生産や消費が増え続けている理由として、この国の恵まれた気候条件や、スローフード運動に象徴する国民の食文化に対する意識、最近では数年続いたコロナ禍で、環境問題や自分が食べるものの安全性に敏感になったという人が激増したとも言われています。



【ローマで大人気のオーガニックマーケット「カンパーニャ・アミーカ」】

そんなオーガニック大国イタリアで、市民に人気があるのが「カンパーニャ・アミーカ」という農家直販のファーマーズ・マーケット。
「カンパーニャ・アミーカ」とは、イタリア農業生産者団体が運営するオーガニック食材限定の市場。生産者と消費者のあいだの仲介業者をなくしたこの直販市場はイタリア全国に展開しており、その数ざっと1千2百軒。そして多数ある「カンパーニャ・アミーカ」の中でも、特に存在感を発揮しているのがローマの古代遺跡チルコ・マッシモ地区にある一軒です。元政治家の公用車のガレージだったという広い市場には、野菜、肉、魚、乳製品、パン、お菓子、ワインなど60社の生産者が出店しています。「カンパーニャ・アミーカ」は化学肥料や無農薬の安全な食材を販売しているだけでなく、売れ残った余剰食材を生活困窮者に寄付するなど、毎週あらゆる社会貢献活動を展開しており、これがローマ市民の賛同を得ています。中庭にはイベントやランチができる広いガーデンもあり、市場で売られている農産物でつくられたメニューがお手頃価格で食べられます。
この場所はまさにわたしのローマの週末の楽しみです。

販売者の農家のおじさんたちとオススメの旬の野菜について話し、両手に持ちきれないほど買い物をした後、市場の中庭で友人たちとランチをします。BBQやパニーノ、野菜のスムージー。もちろんワインも!レストランよりも安く青空の下で、ちょっとしたピクニック気分。時間を忘れて半日は過ごします。

ここの野菜や果実たちは驚くほど長持ちします。葉野菜でも1週間後でも冷蔵庫でピンピンしていて10日はもちます。「カンパーニャ・アミーカ」のおかげで、無農薬の農作物は ‘枯れる’ けれども ‘腐らない’ ことを知りました。そして曲がった野菜や果物に愛着さえ感じるようになりました。
日本では市場に流通する前に大量に廃棄されているという「規格外野菜」。イタリア人にこの観念がないのは、形より「味」、形より「安全性」を優先しているからなんだな、とこの市場で体感させられました。 日曜日の朝、買い物から帰って生命力あふれる野菜やハーブをテーブルに並べ、それらの香りを嗅ぎながら料理をすること。これがわたしのストレス解消になっています。作る料理は自然とシンプルになります。焼いたり茹でたりして、エキストラ・バージン・オリーブオイルやバルサミコ酢をたっぷりかけるだけ。グラスワインを用意すれば心も体も喜ぶ食卓ができあがります。



【まだまだ根強いスローフード哲学】

安全性の高い食品を食べることは、わたしたちの健康に良いだけでなく、持続可能な環境への配慮や生物多様性の尊重につながり、そしてそこから生まれるライフスタイルの質の向上につながります。こういった価値観がイタリアでは日本以上に重視されていると感じます。イタリアでは小学校からこのようなスローフード哲学が学校の授業で教えられているのです。

去る3月、イタリア政府は培養肉の生産&販売を禁止する法案を閣議決定しました。日本でも驚きのニュースとして伝えられましたが、イタリアにいると全く不思議ではありません。
「私たちの国にはこれほどおいしい肉があるのに、なぜ人工的につくられた肉を食べなければならないのか。自分たちの畜産農業者を守ろう。」というのがこの法案の理由です。「禁止することにより培養肉業界の発展が世界から遅れる」や「炭素排出増加の環境保護問題に反する」などの意見もなかったわけではありませんが、即座に一喝されました。

自然&伝統食材を断固として守るイタリアにはスローフード哲学がまだまだ根強く継承されているのです。 わたしたちは現代の食のグローバル化を否定することはできませんが、イタリア人のように食の「喜び」と「知識」を忘れずにこれからもおいしいものを食べ続けていきたいものです。




データ:
*FAO 統計
**SINAB協会2022統計
***FIBL&IFOAMデータ



■ヒサタニミカさんのご紹介

ヒサタニ ミカ
京都生まれ京都育ち。1996年よりローマ在住。 サントリーグループのワイン輸入商社のイタリア駐在員事務所マネージャーを経て、ワインや食材輸入業者のコンサルタント、イタリア飲食店日本開業プロジェクトのコーディネートを行う。25年以上にわたり、イタリア全国に広がる生産者やフード&ワインイヴェントを巡り、イタリア飲食界に纏わるメディアへの企画、取材、寄稿も行っている。また日本の大学への国際研修プログラムにて「イタリア食文化」の講師を務める。 AISイタリアソムリエ協会(正規コース)ソムリエ資格を取得し、現在ではイタリアで数々のワインコンクールの審査員を担う。イタリア外国人ジャーナリスト協会会員。




ダイニングプラスのイタリア食材

ここからは、ダイニングプラスがおすすめするシンプルな原材料の商品をご紹介します。
イタリアからの輸入食材です。

ベルデンソ 無ろ過 エキストラバージン オリーブオイル 500ml

オリーブの実をまるごと生搾りしたいわば「100%果汁」をボトル詰めした「無ろ過エキストラバージンオリーブオイル」。ろ過していないので、風味も栄養もオリーブの実そのまま。イタリア オリタリア社とダイニングプラスが共同開発した、和洋中どんなお料理にもあう無ろ過オリーブオイルです。

ダッテリーノトマトのトマトジュースづけ (皮なし)400g

南イタリアの指定農場で、収穫後6時間以内の新鮮なトマトを使用。トマトを缶詰にするだけでなく、中に詰めるトマトジュースまで全てが自社工場で一貫生産されています。

完熟チェリートマトが丸ごと入ったトマトパスタソース 280g

完熟のチェリートマトを丸ごと使用したフレッシュで濃厚なトマトソース。地元のマンマ達が、火入れ加減を見ながら丁寧に炒め、大切に作っていく様子は、製品に対する愛情にあふれています。

ポテトニョッキ 1kg

イタリア産生パスタ(フレッシュパスタ)のニョッキ。急速冷凍技術で、保存料を使わずにおいしく長期保存を可能し、いつでも出来たてのような味を楽しめます。




<ダイニングプラスについて>
2001年創業、商社が直営する輸入食品通販サイト。日本を代表する高級ホテル、ミシュラン星付きレストランが採用する高品質な業務用食品を、どなたでも1パックから購入できます。テレビ各社や「ダンチュウ」、「エル・ジャポン」など、メディア紹介多数。

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