上野万梨子さんからの食材コメント
フランスの新聞アンケートでは
毎年慣例の、フランス人が
好きな料理ベストテンに
必ず入るのが仔牛煮込みの
クリームソース、
ブランケット・ド・ヴォーです。
本来は仔牛の喉肉や胸バラ肉を
使ってトロトロに煮込む料理
ですが、どちらも日本の家庭では
手に入らない部位。
そこでお勧めしたいのが冷凍で
輸入されている「ほほ肉」です。
脂身ではないのに、煮込めば
確実に柔らかくなる点で
扱いやすい部位と言えます。
多少の手間はかかりますが、
作りなれない料理
だからこそポイントは
守って作りましょう。
使用した食材はこちら

1月のアペロレシピ
仔牛ほほ肉のブランケット

< 材料 >
◆ 仔牛チークミート(ほほ肉):1㎏
◇ 人参:100g
◇ セロリ:50g
◇ 玉ねぎ:1個
◇ オーガニックレモン厚めの輪切り:2枚
◇ 塩:小さじ1
◇ 粒胡椒:小さじ1
◇ シャンピニオン(マッシュルーム):150g(石づきを除いた正味)
◇ バター(エトレ beurre doux):15g
◇ レモン果汁:小さじ1
◇ バター(エトレ beurre doux):40g
◇ 小麦粉:40g
◇ 生クリーム:120ml
◇ 卵黄:1個

作り方
How to cook

冷凍仔牛ほほ肉は冷蔵庫に移し、2日置いて解凍する。
流水で洗ったら、筋など取り除き、残った正味800gほどは1切れ50gくらいの大きさに切り分ける。

鍋にたっぷりの湯を沸かし、沸騰したところに1を加え、再び十分に煮立ってから1分ほどブランシール(湯通し)する。
ザルにあげ、流水で洗う。

鍋に入れ、水1.5リットル注ぎ、セロリ、人参、四つ割りにした玉ねぎ、レモンの輪切り、塩を加えて強火にかける。煮立ち始めたらすぐに中火に落とし、アクを丁寧に取り除く。絶えず上がってくるアクがおさまったら胡椒を加える。
memo
最初に胡椒を入れると、軽い胡椒粒は上に浮かび、アクと一緒にすくってしまうので、加えるのはアクを除いたあとで。

蓋をかけて1時間半、ほほ肉がすっかり柔らかくなるまで弱火で煮込む。
ボールで受けたザルにあげ、
煮汁のうち180mlはピラフに、残り600mlはソースに使う。

シャンピニオンは土がついた石突があったら切り落とし、正味150gを4~5等分の厚切りにスライスする。
鍋(またはフライパン)に水大さじ1、レモン果汁小さじ1、バター15g入れて火にかけ、シャンピニオンを加え、蓋をかけて3分火にかける。

鍋にバターを溶かし、小麦粉を加えて炒め、仔牛の煮汁600mlを加え、泡立て器でかき混ぜながら沸騰させる。そこに仔牛肉とシャンピニオンを蒸し汁ごと加えて10分間煮込む。

仕上げに生クリームと卵黄を混ぜ合わせたものを加え、軽く一煮立ちさせる。
仔牛の煮汁で炊いたピラフを添えていただく。(ピラフのレシピはコチラ)
▼ 食材ひとくちメモ ▼

仔牛チークミート
煮込み料理におすすめの部位(ほほ肉)

ブレスAOPバター
濃厚で力強い味と香りの発酵バター(食塩不使用)
付け合わせレシピ
▼ MUST ▼
仔牛のブランケットはソースを
多めに作り、
それをバターライスにからめながら
食べるのも美味しさのポイント。


< ピラフの材料 >
◇ 米:150g(約1カップ)
◇ バター(エトレ beurre doux):15g
◇ 仔牛の煮汁:180ml
作り方
How to cook

米は洗い、大きめのザルに広げ、1時間おいて水切りする。

鍋にバター15gを熱し、米粒にバターが入って透き通るまで炒め、仔牛の煮汁180mlを加える。煮立ったら火を弱め、蓋をかけて弱めの中火で2分、弱火で13分。
memo
ピラフの香ばしいおこげも美味しさのポイント。おこげが何もない炊き上がりであれば、あえて鍋の底だけ、あとから焦がして仕上げても良い。
▼ BETTER ▼
あれば嬉しい人参と玉ねぎの付け合わせ

煮込みに使った人参と煮汁大さじ1、バター小さじ1、砂糖小さじ1/2を鍋に入れ、煮汁が煮詰まるまで鍋をゆすりながら火にかけ、ツヤ良くグラッセする。

玉ねぎは皮をむき、根本は残して厚めのくし切りにし、熱したフライパンにバター15gで焼く。8割がた焼けたら、砂糖小さじ1と塩をふる。砂糖を焦がし、両面に焼き色をつける。

レシピ と 写真・上野万梨子さん
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2020年1月アペロディネ 仔牛チークミート(ほほ肉)
今月のアペロレシピはいかがでしたか?
みなさまの食卓の一品に。
プチ贅沢なひとときをお楽しみください。
上野万梨子さん
プロフィール
フランス料理家、1975年、パリに料理留学。翌年、ル・コルドン・ブルー パリ校卒業。帰国後、東京・玉川田園調布にてフランス料理教室「ラ・ヌーヴェル・イマージュ」を始める。1980年、初めての著書「シンプルフランス料理」(文化出版局)を上梓。当時はまだ珍しい若きスター料理研究家として活躍。1991年には活動の拠点をパリに移し、著作や食イベントの企画・編集などを通じて、日仏の食と生活文化にかかわる発信を続ける。
著書に「パリのしあわせスープ 私のフランス物語」(世界文化社)「アペロでパリをつまみぐい」(光文社)「小さなフランス料理の本」(NHK出版)「プチプチサラダ、つぶつぶタブレ」(誠文堂新光社) WA-fumi a la rencontre des saveurs du Japon (Flammrion) などがある。
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