上野万梨子さんからの食材コメント
味わい深いイベリコ豚のカルビを
フランス家庭料理定番のマスタードソースで。
フレッシュクリームにワインビネガーと蜂蜜、
ピクルスの甘酸っぱさを生かした、
これぞ豚肉ならではのレシピです。
付け合わせのジャガイモにも足りるように
ソースは多めに作って美味しくいただきます。
700gから1キロほどの冷凍で届くので、
残ったカルビは塩漬けにしてポトフの豚肉版の
"ポテ" を作ることをおすすめします。
使用した食材はこちら

11月のアペロレシピ
イベリコ豚カルビのソテー
マスタードソース

< 材料 (2~3人分)>
◆ イベリコ豚カルビ:200g
◇塩:少々
◇加塩バター:20g
◇白ワインビネガー:大さじ1
◇蜂蜜:小さじ1(アカシアなどリキッドなタイプ)
◇マスタード:大さじ1半(辛口ディジョンマスタード)
◇フレッシュクリーム:100ml(乳脂肪36%前後)
◇ピクルス:1本
◇あればセージの葉:適量
☆じゃがいも:中2個
☆加塩バター:20g

作り方
How to cook

付け合わせのじゃがいもの皮をむき、4等分に切って茹でる。やわらかくなったらザルにあげ、湯を捨てた熱い鍋に戻し、加塩バターを加え溶かし、木ベラなどで粗く潰し軽く塩を加える。
蓋をかけて肉をソテーし終わるまで温かいところに置く。

イベリコ豚カルビは一塊のおよそ半分使用し、 脂肪は残しながら筋を取り除く。肉の繊維に逆らって1センチ厚の斜め薄切りにし、塩をふる。
ピクルスは細切りにする。

フライパンを中火で熱し、加塩バターを溶かし、スライスした肉の両面を手早くソテーする。
後でソースの中で温める際に熱が入るので、ここで焼き過ぎには充分注意する。
ワインビネガーと蜂蜜を加えて肉全体にからめ、バットなどに取り出し、火のそばのあたたかいところに置く。

3のフライパンを火にかけ、水大さじ2、あればセージの葉を加えて鍋底の旨みを浮き上がらせる。生クリームを加え、ほどよいトロミがつくまで木ベラで混ぜながら弱めの中火で煮詰める。

ソテーした肉、マスタード、ピクルスを加えてひと煮立ちさせたら蓋をかけ、火を止めて2分間置き、肉を温めながら余熱を入れる。
マスタードは加熱すると苦味が出るのでソースに加えてからは余分に火にかけないこと。

盛り付けではセージの葉は取り除き、1のじゃがいものエクラゼを盛り付ける。写真では飾り用のセージ少々を添えている。
memo
エクラゼとは「潰す」を意味する。
▼ 食材ひとくちメモ ▼

イベリコ豚カルビ
弾力ある赤身と脂の甘みが特徴。

ブレス産発酵バター(加塩)
AOP認定発酵バターを使用した加塩タイプ。

もう一品
イベリコ豚カルビのポテ

和洋中のお惣菜に便利なカルビ肉ですが、余りを塩漬けにしてポトフの豚肉版、ポテを作るのもお勧めです。肉の重さの3%の塩と、塩の半量の砂糖を肉にすり込み、12時間冷蔵庫で寝かせます。それを小一時間冷水に沈めて塩抜きし、適当な大きさに切り、香味野菜(ブーケガルニ、たまねぎ、にんじんなど)と粒白胡椒と共に肉がすっかりやわらかくなるまで煮込みます。そろそろ煮上がる頃ににんじん以外の香味野菜は取り除き、代わりにじゃがいもやキャベツ、厚切りベーコンや生ソーセージを加えて仕上げます。
レシピ と 写真・上野万梨子さん
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2022年11月アペロディネ イベリコ豚カルビ
今月のアペロレシピはいかがでしたか?
みなさまの食卓の一品に。
プチ贅沢なひとときをお楽しみください。
上野万梨子さん
プロフィール
フランス料理家、1975年、パリに料理留学。翌年、ル・コルドン・ブルー パリ校卒業。帰国後、東京・玉川田園調布にてフランス料理教室「ラ・ヌーヴェル・イマージュ」を始める。1980年、初めての著書「シンプルフランス料理」(文化出版局)を上梓。当時はまだ珍しい若きスター料理研究家として活躍。1991年には活動の拠点をパリに移し、著作や食イベントの企画・編集などを通じて、日仏の食と生活文化にかかわる発信を続ける。
著書に「パリのしあわせスープ 私のフランス物語」(世界文化社)「アペロでパリをつまみぐい」(光文社)「小さなフランス料理の本」(NHK出版)「プチプチサラダ、つぶつぶタブレ」(誠文堂新光社) WA-fumi a la rencontre des saveurs du Japon (Flammrion) などがある。
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