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シュトーレン前篇「バターを使わせてください!」

2019/11/28 09:30

「クリスマスケーキ」としておなじみの、ドイツのシュトーレン(シュトレン)
二つ折りにした生地に、粉糖がたっぷりかかったその姿は、日本でよくみかける「クリスマスケーキ」とは、かなり違った素朴な雰囲気です。
形も食べ方も、何か由来のありそうなドイツのシュトーレン。その秘密にせまります!

【シュトーレン前篇「バターを使わせてください!」】




1 シュトーレンの形はエルツ山地から?

シュトーレンの起源は諸説ありますが、もともとは大昔、新年や収穫を祝う菓子として作られていたようです。
”stollen” はドイツ語で「棒」や「坑道」を意味し、素朴な細長い形の由来には、いくつかの説があります。

①キリストのおくるみ、ゆりかごの形
②東方三博士の杖
③神父の袈裟(けさ)
④銀鉱山として知られるエルツ山地の坑道

どれも言われてみるとうなずける理由。みなさんはどれがしっくりきますか?

なお、”stollen” のドイツ語読みに近い表記は「シュトレン」なのですが、ここでは現在日本で親しまれている名称「シュトーレン」で、お話を進めます。

2 クリスマスを待つシュトーレン

記録が残る15世紀ごろには、シュトーレンはクリスマス前の「アドベント」の期間に食べられていたものでした。
このころのシュトーレンは教会会議によって定められていたレシピ通り、小麦粉、イースト、油、水で作られていて、そっけない味だったようです。もっとも、それには理由があります。

いまの日本で「アドベント」といえば、毎日お菓子やおもちゃが出てくる「アドベントカレンダー」などで知られ、クリスマスが待ち遠しい楽しい期間のようなイメージがあります。
しかし本来の「アドベント」は5世紀から続く、キリストの誕生と再生を前にした断食と悔い改めの期間でした。


長い歴史のあいだに断食がなくなるなど多少の変更がありましたが、大昔からこの4週間は大事な期間。盛大なお祭りやお祝い事だけではなく、肉や卵、乳製品を食べることをも控える期間だったのです。

この慣習からアドベント期間中に食べられていたもともとのシュトーレンも、バターやレモンピールの砂糖漬け、アーモンドのようなものは何も入っておらず、味わいも香りも乏しいものが作られていたようです。

3 「バターを使わせてください!」

1450年、のちにザクセン選帝侯となるエルンストとその兄弟のアルブレヒトが、教皇ニコラウス5世にバター使用の請願を出しました。しかしなかなか認可は得られず、40年以上あとの教皇イノセンス8世の時代になってやっと、バターの使用を許可する有名な「バター書簡」が教皇から送られました。

本来この書簡にはザクセン選帝侯領の宮廷出入りの職人だけがバターを使ってよいといった内容が書かれていたのですが、宮廷のあったドレスデンのパン屋さんはわれさきに、バターの入った美味しいシュトーレンを作るようになりました。ただし、教会にフライベルク大聖堂建設のための「お布施」を支払わなければなかったといわれています。
美味しいシュトーレンを食べたいのは昔の人も同じと想像すると、少し親近感がわきますね。

(写真はフライベルク大聖堂です)

現在のようにドライフルーツやアーモンドが入るようになったのはいつごろなのか、実ははっきりしていません。ですが、それらが貿易で手に入るようになりつつも貴重品であったころから代々、職人たちが工夫を重ねてより美味しいシュトーレンに改良してきたのでしょう。


後編「とても大きなシュトーレンのおはなし」もおたのしみに!
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